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しがリーマンの左遷万歳!

しがないサラリーマンのどこにでもある話

痛飲


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「辞めるって言っとけ!」

怒声が響き渡った。私は極めて冷静だったが、その場にいても収拾がつきそうになかったので、やむなく退散した。

気合いを入れて行った取引先。問題を抱えていたので憂鬱だったが、自らの頬を叩きながら乗り込んだ。
しかし、事態が好転するという期待とは裏腹に真逆の結果となった。問題は解決するどころか、余計に糸がもつれ、トンネルの出口すら見えない。机を蹴りあげて怒鳴られたこともショックだったが、事態が迷宮入りしたことの方が重くのしかかった。

自分の力量ではどうしようもないので、朝令暮改部長に電話する。一通り説明すると、予想通りのダメ出しを受けた。
分かっちゃいるけど、できないもんは仕方ない。
はい、そうです。全て自分の至らなさが原因です。
そんなことを思いながら電話口からの説教を聞いた。

しばらく虚空を見上げていると星空が涙でにじんだ。会社を辞めようか、別の上司に電話して異動を直訴しようか、携帯電話を握りしめて考えた。

すると、なぜか息子の笑顔がうかんだ。世界中の誰よりも愛する家族のために、もうちょっと頑張ろう。

馴染みの居酒屋に入り、日本酒のぬる燗を頼む。いけすから揚げたばかりのサバをつまみにクイッといくと、体から膿が出ていくような錯覚に落ちた。