しがリーマンの左遷万歳!

しがないサラリーマンのどこにでもある話

電話嫌い

自分で顔がひきつっているのが分かりました。電話で怒鳴られ、理詰めで追い込まれ、返す言葉が見つかりません。迂闊なことを言うと、足元を救われそうな危険性を察知し、とりあえず同じ主張を繰り返すしかありませんでした。

面と向かって怒鳴られ、ションベンをちびりそうになったことはありますが、電話でウ⚪コをもらしそうになったのは初めてです。

いつもはにこやかで穏やかな表情を崩さない取引先の社長さん。こちらからの提案に激怒し、私の下手くそな説明にさらに腹を立てた様子でした。

元来、口ベタで交渉が苦手な私は、顔の見えない電話が嫌いです。顔を見ながらなら何とかごまかしが利いても、話し言葉オンリーの電話だと口がうまいかどうかだけ。情に訴えることもできず、激しい"口撃"にさらされてしまいました。

確かに先方の言うことは分かります。ただ、私はしがない一サラリーマン。電話で話しながらも朝令暮改部長の顔がちらつき、簡単に譲歩する訳にはいきません。

とはいえ、理解は示しながらも押し返すという高等テクニックは私にはないのです。ただ、ひたすら直球一本勝負。それが通じる相手ならともかく、理論派の社長は一枚も二枚も上手でした。私を言いくるめるくらい赤子の手を捻るようなものでしょう。

あぁ、なんて理不尽なのでしょうか。こんな時はいつも逃げたい衝動にかられます。塾をサボった息子を怒る資格などありません。本当は誰よりも私が逃げたい、投げたい、やめてしまいたいのです。

そんなことを考えながら辞められるはずもなく、しがリーマンの1日が終わるのでした。